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父の道具箱

  • 執筆者の写真: Cielo
    Cielo
  • 2022年1月25日
  • 読了時間: 2分

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年末に帰省した際に 母から何箇所か家の修繕を頼まれた。

修理屋さんに頼むレベルではないが 母が自分では直せないところ。 私はその手の作業が比較的得意である。

その修繕に必要な道具を探した際に 物置の奥から出てきたのが 父が使っていたこの道具箱。

金属製の外側はすっかり錆び付いていて、 中には雑多な道具類が入っていた。


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実家には、他にも父の買いそろえた 大量の修繕道具が残っていて、 もう使わなくなった 古い机の引出なんかに入っている。

うっかりそこを開けてしまうと、 なんだか「しまった!」という気分になって、 何も見なかった振りをして閉めてしまう。

もはや誰も使うことはないのだから 処分すればいいものを、そのままにしている。

庭の植木や花壇はほぼ昔の姿を失ったけど、 家の中にはまだ父の作った棚なんかが残っていて しっかりとその役割を果たしている。


やたら几帳面な性格で、

私とはあまり意見が合わなかった。


子どもの頃は父親っ子だったそうだが、 18歳になって家を出てからは、 私のやることなすことほぼすべてが 父の考えとは相容れなかったかも。

それでも。

父みたいにきっちりカッキリは無理だけど。 (何を作るにもミリ単位で設計図を描く人だった) なんか工夫して自分でモノを作るのは好きだ。

母は母で、料理だけでなく編物や縫い物もするし あれやこれや手を動かすことが大好きで得意だし、

私も多少はその血を継いでいるのかもしれない。 一方。妹はその手のことはさっぱりやらない (少なくとも私は見たことがない)。

だが彼女は、掃除にやたらうるさい。 本人は「掃除なんて嫌いだ」というが。 実に細かく、部屋の隅々まで掃除をする。

言うと本人は嫌がるだろうが、 その細かさは間違いなく父親譲りだ。

私は彼女の家にだけは"嫁ぎ"たくない。 一日で暇を出されそうな気がする。 もちろん、要らぬ心配だけど。


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